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朝露が乾くころ
黄金色の稲がそよぐ道を、ひとりの郵便配達員がゆっくり走っていく。
自転車の音が「シャッ、シャッ」とリズムを刻むたびに、
風がひとつ、ページをめくるみたいに吹き抜ける。
その背には茶色のカバン、
その足元には、一匹のねこ。
手紙のかわりに、風景を届けていた
誰かから誰かへ、手紙が運ばれていく。
けれどこの人は、それ以上のものも届けていた気がする。
「今日も来てくれた」
そんな、声にならない安心感。
ただそこを通るだけで、誰かの心が少しあたたかくなる存在。
見送るねこも、きっと知っていた
ねこは追いかけない。
ただ、いつものようにそこにいて、
今日も「見送るだけ」を、していた。
それはきっと、信頼という名前の見送りだった。
結びのことのは
「通る」だけで、
ちゃんと誰かの記憶になる道がある。
「通る」だけで、
ちゃんと誰かの記憶になる道がある。郵便屋さんが通った道も、
そのひとつだったのかもしれません。
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このイラストは、SUZURIにて
Tシャツやトートバッグなどのグッズとしても販売しています。
日々のなかで、ふと思い出したくなったときに、そっと寄り添えたら嬉しいです。
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ことのはさん ( kotonohasan )の【郵便屋さんが通る道】という名のデザイン | オリジナルグッズ・アイテム...
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