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夕暮れ、駄菓子屋のまえ
オレンジに染まった空の下。
木造のだがしやには、ビニールに包まれたお菓子がきっちりと並んでいる。
男の子たちは夢中で地面に円を描き、遊びに没頭している。
ただ、その円の外側には、ぽつんと一人──
女の子が、立っていた。
「入りたい」けど、言えなかったあの頃
なんの遊びだったのか、もう思い出せない。
でも、声をかける勇気が出なかったことだけは、
不思議とくっきり残っている。
ほんの数歩。
ただそれだけの距離が、あの時の自分には大きすぎた。
遊びの輪に入れなかった記憶ごと、大切に
楽しかった記憶だけじゃない。
輪の外にいたままの思い出も、
ちゃんと私の中にある“ことのは”なのです。
そのままでいい。
あのときの私に、いまなら言ってあげられる。
■ 結びのことのは
立ち止まって見ていたこと。
そこにいたけれど、まだ混ざれなかったこと。
それも、ちゃんと誰かの時間だったんだと思う。
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